資源・輸送機・建機・インフラ・金属・製造など
目次
Project Context
Insight Edgeでは、IoTデバイスを活用した各種業界の現場業務の効率化に力を入れております。今回は工場のスマートファクトリー化を想定したデータ可視化 / 業務効率化の取り組みを紹介します。
スマートファクトリーとは、AIやIoT等の技術を活用することにより生産性と効率性が向上した工場のことです。ロボットの導入による製造ラインの機械化・自動化や、IoTセンサ / デバイスで収集したデータを活用し、人手で行ってきた業務の自動化・効率化を実現するところにあります。
今回はスマートファクトリーの構成要素として、以下3つの機能を開発 / 検証しています。尚、本取り組みはInsight Edgeでの勉強会の一環として、有志のメンバで業務として企画〜開発を行っています。

Solution
不良品判定
工場内でのベルトコンベアラインで不良品を自動で検出することをアプリケーションの想定としています。カメラを用いて撮像し、画像処理の機械学習モデルを使用して判定を行い、不良品を見つけた場合には可動部(ロボットアーム)にて不良品を取り除きます。このときに、不良品を検出したことを知らせるサインを点灯させます。不良品が発生したことがサインによってわかるので、生産ライン全体で不具合が起こっていないかを調べるきっかけになります。本来であれば、不良品の判定を人間の目視で判定していたところを機械によって自動化することにより、効率化を図るものです。

このアプリケーションの構成要素は、ハードウェア部分とソフトウェア部分に分かれます。ハードウェア部分はカメラとその撮像環境、不良品を検出した際に用いるサインやロボットアーム、工場内にあるベルトコンベアやペイロードがあります。また、今回は画像判定の機械学習モデルをクラウド上に持ち判定を行うため、通信機能も必要となります。さらに、一定の判定速度を実現するため、アクセラレータモジュールを利用したエッジコンピューティングも試行しました。これは推論処理をオフロードすることによって、より早く不良品判定をできるようにするものです。
機械異常検知
工場においては温度 / 湿度が一定の値を超えてしまうと、動作が安定しない機械があったり、材料によっては自然発火してしまうものもあります。
今回開発した異常検知システムではSens’itを活用し、温度 / 湿度を定期的に収集し、異常値が発生した場合にslackへ通知する仕組みを素早く・簡易に構築しています。
※Sens’itでは、その他磁気、照度等も取得可能です。

センサー → Cloud環境へのデータの送信についてもSens’itがSigfoxを採用しているので、非常に安価にこの仕組みを利用をすることが出来ます(数千円/月 程度)。
遠隔作業支援
工場での作業において、遠隔地にいる熟練者の支援を受けたいことがあります。その場合、言葉だけよりも指差しなどで場所を示した方が効率的にコミュニケーションを取ることができます。
今回はMicrosoftのHoloLens 2を使用して、 (1)支援者とのビデオ通話、(2)作業者の視界のリアルタイム共有、(3)支援者による作業者の視界上への仮想オブジェクト配置 を簡易的に行うアプリケーションを開発しました。

HoloLens 2を活用した同種の機能を持つアプリケーションは有償のものを含め様々ありますが、自分達で必要なものを作るとしたらどのように実現可能かという観点で取り組み、Microsoftが提供するMixed Reality Toolkit、Mixed Reality-WebRTCを活用して、非常に効率良く開発できることができました。
※ Mixed Reality-WebRTCはOSSですが、2022年3月にMicrosoft主導による開発が終了したため、今後の利用には注意が必要です。
※ SORACOMは、SORACOM社の登録商標または商標です。
※ Sens’itは、Sigfox社の登録商標または商標です。
※ Microsoft, Hololensは 米国 Microsoft Corporation の米国及びその他の国における登録商標または商標です。